皆様こんにちは。
Eidos Createのイザヤです。
Blenderを始めたころ、アドオンを使うことに抵抗がありました。正直に言うと、「アドオンを使うのはズルなんじゃないか」と思っていました。
標準機能だけで作れるようになってこそ実力。アドオンに頼るのは、実力をつけることの遠回りだという感覚。
「全部手作業で出来るようにならないと身がない」
「遠回りこそが成長につながる」
そんな考えを伺いもせず信じていました。
今振り返ると、その考えは決して珍しいものではないと思っています。むしろ、Blenderに真剣に向き合っている人ほど、同じような葛藤を抱えやすいのかもしれません。
この記事では、「アドオン=ズル」という思い込みこそが、自身の成長をゆっくりにしていた原因だと気づいたことについて話していきたいと思います。
なお、本記事で使用している画像(サムネイル含む)は、試験的にChatGPTにて作成しておりますので、ご了承いただけますと幸いです。
なぜアドオンをズルだと思っていたのか?
なぜアドオンを使うことを「ズル」だと感じていたのでしょうか。今思い返すと、その理由は大きく2つあると思っています。
まずはその理由2つについて話していきます。
基礎を身につけることに対する思い込み
まず大きかったのは、「基礎を身に着けることが何よりも大事」という考えです。
Blenderを学び始めると、「まずは標準機能を理解しよう」「ショートカットを覚えよう」といった言葉をあちこちで目にします。
これは間違いではありません。むしろ正論だと思っています。
ですが、当時の僕はその正論を少し極端に受け取っていた部分があります。
標準機能だけで作れなければ実力じゃない
便利な機能に頼ると成長が止まる
遠回りするほど上達する
そんな風に、無意識のうちに「苦労=正解」と思い込むようになってしまっていたのです。
XやNoteの影響
XやNoteにて完成度の高い作品が並ぶタイムラインを見ていると、自分との差を直視するのがつらくなります。今では、他人は他人自分は自分と思って割り切って制作できていますが、それでも当時は歯がゆい思いをしていました。
その差を正面から受け止める代わりに、「きっと有料アドオンを使っているからだ」と考えることで、どこか心の安定を図っている部分がありました。
つまり、アドオンをズルだと思っていたのは、純粋な信念というよりも、自分を守るための言い訳といった側面が強かったんだと思います。
努力しているつもりなのに結果が出ない、、、そのもどかしさをアドオンに責任転嫁して正当化する。そんな心理がなかったかといえば噓になります。でもこの考え方は、知らず知らずのうちに「作る楽しさ」より「耐えること」を優先させてしまってたということにもなります。
02.実際に起きていた問題

「アドオンはズルだ」と思い込み、標準機能だけでなんとかしようとしていた結果、僕のBlendere作業は少しずつ歪んでいきました。
一番大きな問題だったのは、時間の使い方です。
本来なら形やバランス、全体の見た目に集中すべき場面で、ひたすら細かい手作業に追われていました。
同じ操作を何度も繰り返し、「これ、毎回やる必要あるのかな?」と思いながらも、それを毎日続けていました。
その結果、、、
作業の長時間化
完成までたどり着かない
疲労感だけが残る
という状況になっていました。そして厄介なことに、こうした状況は「頑張っているのに楽しくない」という感覚になり、消耗していく日々が続きました。
本来、Blenderは「作りたいものを形にするための道具」のはずです。それなのに僕は、「正しいやり方を守ること」そのものが目的になっていました。
気付かないうちに、アドオンを使わないという選択が、上達の近道どころか、遠回りになっていました。
考えが変わったきっかけ
この「アドオン=ズル」という考えが変わったきかっけは、ひょんな出来事でした。正直に言ってしまえば、「このままだと続かないな」と感じたのが始まりでした。
時間をかけているのに形にならない。
頑張っているはずなのに楽しくない。
それでも「アドオンは使わない」と決めつけている自分がありました。
そんなある日、作業効率について調べている中で、とあるアドオンを目にしました。
その名も「LoopTools」
LoopTools自体はとても有名なアドオンですので、この記事で説明することは割愛します。一言でいえば、頂点などの調整を自動化してくれるアドオンです。
最初は、「参考に見るだけ」「仕組みを知るだけ」「一度使ってみるだけならいいか」と、そんな軽い気持ちでLoopToolsを導入しました。
実際使ってみると、驚くほど作業がスムーズに進み、今まで時間をかけていた操作があっという間に終わりました。それなのに、不思議なことに「ズルをしている感覚」はありませんでした。
考えている内容は同じ。
悩んでいるポイントも同じ。
違っているのは、「手を動かす部分」だけだったんです。
その瞬間に「あれ?」という疑問が生まれました。
アドオンを使ったからといって、作品の完成度が勝手に上がるわけではない。判断を代わりにやってくれるわけでもない。あくまで主体は自分自身にあるのに、なぜここまで拒否していたんだろう。
この小さな違和感が、「アドオン=ズル」という考えを見直すきっかけになりました。
アドオンは「省略」ではなく「補助」だったという気付き

アドオンを使い始めて、しばらくたった頃、ようやく一つの結論にたどり着きました。それは、、、
アドオンは考える工程を省略しているわけではない
ということです。アドオンがやってくれるのは、あくまで「手作業の部分」だけでした。
どんな形にするか。
どこを強調するか。
全体のバランスは正しいか。
こうした判断は、アドオンを使っても、結局自分で行っています。
むしろ、細かい操作に時間をとられなくなった分、「考えること」に使える時間が増え、自分は設計や全体調整に集中できるようになりました。
これは手抜きではなく、役割分担に近い感覚です。
アドオンは「実力を肩代わり」するものではなく、「実力を発揮しやすくする道具」だったのです。
この事実に気づいたとき、「アドオンはズルだ」という考えはようやく自分の中で崩れました。
本当の意味での「ズル」とは何か
アドオンを使うことがズルではないと気づいた後、もう一度立ち止まって考えてみました。
本当の意味での「ズル」とは何なのか。
今の僕が思うズルは、便利なツールを使うことではありません。
ズルとは、「わからないまま進むこと」「なぜそうなるかを考えないこと」だと思っています。
チュートリアル通りに操作すれば形はできます。でも、なぜその手順なのかを考えず、ただ提示された手順通りになぞっているだけなら、次にはつながりません。
理解しようとせずに進むこと。
考えることを放棄すること。
それこそが、Blenderでの制作(もしくはほかの業界でも)において、一番のズルだと思います。もちろん盗作は論外ですが。
アドオンは正しく使えば思考を助けてくれる存在ですが、何も考えずに使えば、ただのブラックボックスにもなります。
だから大切なのは、「使うか、使わないか」ではなく、「どう使うか」であること。
この視点を持てたことで、ようやくBlenderでの制作が楽しくなりました。
さいごに
Blenderを始めたばかりのころ、「正しいやり方」にこだわりすぎていました。
アドオンはズル
楽をすると成長しない
苦労することが上達への近道
そう信じていた当時の自分は、まじめだった一方で、少し不器用だったのかもしれません。
アドオンを使うようになってから、急に上手くなったわけではありませんが、確実に「作ること」が楽になりました。
その結果、考えることに集中できるようになり、試行錯誤を前向きに楽しめるようになりました。たったそれだけでも、Blenderとの向き合い方が大きく変わったのではないかと思います。
もし今、「アドオンを使うのはまだ早い」と感じている方がいらっしゃったら、一度だけその考えを疑ってみてください。
ズルかどうかを身めるのはアドオンなどのツールではありません。皆様一人一人が、どう向き合っているか次第です。
Blenderは作ることを楽しむためのソフトです。
今日も少しだけ、自分の作りたいものに近づいていれば、それだけで十分だと思います。