皆様こんにちは。
Eidos Createのイザヤです。

ここ数年で、生成AIによって3Dモデルが自動で作られるようになりました。
文章だけで形が出てきたり、画像から立体が生成されたりと、数年前では考えられなかったことが現実になっています。

その流れの中で、こんな不安を感じたことはないでしょうか。

  • もう3Dモデラーはいらなくなるのでは?

  • 勉強しても意味がなくなるのでは?

  • 今から始めても遅いのでは?

SNSや動画でも、「AIが全部作る時代がくる」「モデラーは淘汰される」といった言葉を見かける機会が増えました。実際、AIが出力した3Dモデルを見て、「これは確かにすごい」と感じた方も多いと思います。
当然ながら、僕もその一人です。

では本当に、生成AIによって3Dモデラーという存在は不要になるのでしょうか。

この記事では、不安を煽るためではなく、これから3Dに関わる人が考えるべき前提として、この問いに向き合ってみます。

モデラーは淘汰されるのか?

結論から言います。

生成AIによって、モデラーという職業そのものが一斉に淘汰される可能性は低いと考えています。

ただし、全てのモデラーが今まで通り生き残れるわけではありません。

生成AIによって価値を失っていくのは、「モデラー」という職業ではなく、モデリングを単なる作業としかとらえていないあり方です。

形を言われたとおりに作る。
ツールを操作できることがスキルだと思っている。
なぜその形なのかを説明できない。

こういったスタイルは、生成AIが最も得意とする領域と真っ向から重なっていると思います。

一方で、これからも必要とされるのは、以下のような方だと思います。

  • なぜその形にするのかを判断できる人

  • 用途に合わせて形を成立させられる人

  • AIが出した形を「使える3D」に仕上げられる人

つまり、形を作る人ではなく、形を成立させる人です。

この記事では、生成AIの出来ることとできないことを整理したうえで、
そしてモデラーの役割が今後どう変わっていくのかを考察していきたいと思います。

生成AIが「できること」と「できないこと」

生成AIによる3Dモデリングの進化は、間違いなくモデラーという職業に影響を与えます。だからといって、生成AIを否定する必要も。過小評価する必要もありません。

まずはいったん冷静になって、今の生成AIができることとまだ人の判断が必要なことを分けて考えてみます。

生成AIができること

現在の3D生成AIが得意としているのは、主に以下のような領域になります。

  • テキストや画像からの形状生成

  • アイデア出しやラフモデルの生成

  • 見た目を重視したビジュアル用モデル

  • 短時間で大量のバリエーションを出すこと

「それっぽい形」を作るスピード塗料に関しては、人間が太刀打ちできないレベルにすでに到達しています。

実際、コンセプト段階やイメージ共有の用途では、すでに十分実用的だと感じている人も多いはずです。生成AIを導入している企業が増えているということからも、業務使用に際し実用的な水準に達しているという証拠になるでしょう。

生成AIが苦手なこと

生成AIには弱点はないのかと聞かれれば、断じて否になります。例えば以下のような点です。

  • トポロジーの整合性

  • アニメーションや変形を前提とした構造

  • ゲームエンジンや印刷など、用途ごとの制約対応

  • 後からの修正を前提とした設計

  • なぜその形なのかという説明

つまり、「動かして破綻しないか」「軽量化できるか」「流用や回収ができるか」といった、現場で重要になる判断は、今も人間側に委ねられているといえます。

「それっぽい3D」と「使える3D」

今現在が、生成AI時代の一番の分かれ目ではないかと考えています。

見た目だけを見れば、AIが作ったモデルと人が作ったモデルの差は今後ますますわからなくなると思います。むしろ場合によっては、生成AIで作成したほうがより綺麗に見えるかもしれません。

しかしながら、

  • ゲームで動かせるか。

  • 量産できるか。

  • トラブルが起きたときに直せるか。

といった観点では、まだ明確に「使える/使えない」が分かれます。
そしてこの差を埋めているのが、モデラーの判断と設計です。

生成AIが出力するモデルは、完成品というより素材に近い存在です。

  • ベースとして使う。

  • 分解して組みなおす。

  • トポロジーを引き直す。

  • 用途に合わせて再設計する。

こうした作業を通して初めて、仕事として成立する3Dになります。
ここで重要なのは、AIを使えるかどうかそのものというよりも、AIにより出力した成果をどう扱えるかということです。

生成AIはモデラーの仕事を「奪う」存在ではなく、判断と設計の価値を浮き彫りにする存在であるというのが僕の考えになります

モデラーの役割は今後どう変わるのか

生成Aiの登場によって、モデラーの仕事が突然なくなるわけではありません。しかし、これまでと同じ役割のまま続けられるわけでもないのが現実です。

変わっているのは、「3Dを作る」という行為そのものではなく、モデラーが担う役割の位置づけです。

形を作る工程は、前にずれていく

生成Aiによって、形を生み出す工程は制作フローの前半に押し出されることになると思います。例えば、以前はモデラーが時間を行っていた、、、

  • ラフ形状の作成

  • ベースモデルの構築

  • バリエーション出し

といった作業は、今では短時間で複数案が出てきます。これにより、「最初に形を出すこと」自体の重みは依然と比べて相対的に下がっていくと思われます。

モデラーの役割は「後工程」に移動する

一方で、形を生み出す工程の後に残る工程は消えていません。

  • その形は用途に合っているか

  • どこに無理があるか

  • 修正や流用が可能か

こうした判断と調整は、生成AIでは完結しません。特に、実際の現場では、プロジェクトが大きくなればなるほど、様々な部署との関りが出てくるようになります。

その結果、モデラーは制作フローの中で、後工程に近い役割を担うようになるかと思います。

つまり、「作る人」から「成立させる人」という役割移動です。

  • 問題がないか確認する。

  • 必要があれば修正する。

  • 「これでいく」と判断を下す。

この役割は、単なる作業ではなく責任を伴う判断になります。生成AI時代のモデラーは形を作る職人というよりも、形を成立させる最終判断者へと近づいていきます。

役割が変わっても基準は必要になる

生成Aiは形を出してくれますが、その形が正しいかどうかは教えてくれません。つまり、出力した形が正しいかどうかを判断するためには、、、

  • トポロジーの理解

  • 各種構造の知識

  • 用途ごとの制約

こういった基準に対する深い理解が必要になります。
つまり、役割が変わるほど、基準を理解していることの重要性は増していくということです。

最後に

生成Aiによって3Dモデリングの風景は、確かに変わり始めています。不安を感じるのは当然のことだと思います。

ただここまで整理してきたように、起きているのは「仕事が消える変化」ではなく、「役割が遷移する変化」であると僕は考えています。

生成AIは、形を出す工程を大きく効率化しました。ですが、、、

  • その形が使えるかどうか。

  • どこまで成立しているか。

  • 何を直すべきか。

といった判断までは交代しません。

だからこそ、生成AI時代に必要とされるのは、新しいツールを追いかけることだけではありません。

  • なぜその形にするのか。

  • どんな用途を想定しているのか。

  • どこに無理が生じるのか。

こうした問いに、自分の言葉で答えられることです。

もし今、「この先どうなるのだろう」と不安を感じているなら、それは変化を正しく捉えようとしている証拠でもあります。正しく捉えようとしなければ、不安すら感じないはずですから。

生成AIは脅威ではなく、考えることを放棄しなければ、味方にもなる存在です。

モデラーの価値は、形を作ることそのものではなく、形を成立させる判断ができるかどうかにあります。

この前提を持っていれば、生成AI時代においても、3Dに関わり続ける道は十分に残されているというのが僕の結論です。

ここまあ出長文を読んでいただきありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう。