皆様こんにちは。
Eidos Createのイザヤです。
皆様は「基礎が大事」という言葉をかけられことはあるでしょうか。例えば勉強、部活、あるいは仕事に至るまで、ありとあらゆることで基礎は大事です。
当然ながらBlenderでもモデリングの基礎が大事になります。
ではBlenderの基礎とは何でしょうか。
基礎的な操作方法やショートカットキーを覚えれば、Blenderの基礎を習得したことになるのでしょうか。
Blenderを始めたての頃は、操作方法を覚えることが基礎だと考えていましたが、1年経った今、考え方は大きく変わっています。
この記事では、1年間Blenderを触り続けてようやく気付いた「基礎」の正体について、自分の失敗や気付きを交えながら言語化していきます。
基礎が分からず立ち止まっている方へのヒントになれば幸いです。
なお、本記事は「なぜBlenderの基礎はチュートリアルだけでは身につかないのか」という記事の続編的な位置づけになります。
チュートリアル学習に違和感を感じている方は、先にこちらを読んでいただくと、より理解しやすいかと思います。
なお、本記事に使用している画像(サムネイル含む)は、試験的にChatGPTにて作成していますので、ご了承いただけますと幸いです。
多くの人が勘違いしているBlenderの「基礎」

Blenderの基礎と聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。
移動・回転・スケール。
編集モードの使い方。
押し出し・ループカット・ベベル。
よく見るチュートリアルの動画の最初に出てくる常連客です。
少なくともBlenderを始めたての頃の僕は、「これらを一通り覚えたら、基礎はクリアした状態になる」と思っていました。実際、操作自体はそれなりに覚えました。
ショートカットもわかる。
チュートリアルも最後まで作れる。
それでもーーなぜか自分で作ろうとするとモデリングの手が止まってしまうことが多々ありました。
次、何をすればいいかわからない。
とりあえず触っているけど、合っている気がしない。
完成させたはずなのに、作り直したくなる。
今振り返ると、この違和感の正体はとても単純なことでした。
操作は覚えていたけれど、基礎が分かっていなかった。
多くの人が言うBlenderの基礎は、正確には「最低限の操作方法」であることが多いです。でもそれは例えるなら、鉛筆の持ち方を知っているだけで絵が描けると思っている状態に近いと思います。
基礎とは本来、「どの操作を、なぜ、今使うのかを判断できること」のはずです。しかしチュートリアル中心で学んでいるとどうしても、、、
なぜその手順なのか
他の選択肢はなかったのか
この形は何を優先しているのか
こうした部分がほとんど意識されないまま進んでいきます。
結果として起きるのが「知っている操作は増えたのに、作品の自由度は上がらない」という状態です。
当時の僕は「まだ基礎が足りないから、操作をもっと覚えなければ」と考えていました。ですが、1年間触ってきてようやく気付きました。
足りなかったのは操作方法の知識ではなく、考え方だったのだと。
Blenderの基礎は、操作リストのことでは決してありません。次の章から、Blenderの「基礎」についてひとつずつ言語化していきたいと思います。
Blender基礎の正体

ここからが本題です。
私がBlender歴1年でようやく理解した基礎は、大きく分けて3つありました。
どれも特別な操作ではありません。むしろ、操作とは関係ない部分に近いものになります。
形を作る前に、形を決めているか。
以前の僕は、Blenderを起動したら過ぎに立方体を追加し、編集を始めていました。
いわゆる「とりあえず作りながら考えよう」というスタイルです。ですがこのやり方をしてしまうと、途中で必ず迷います。
全体の大きさが定まらない。
パーツ同士のバランスが崩れる。
修正のたびに別物になる。
原因は単純な話で、ゴールとなる形を決めていないからです。
なんとなく作り始めるから、どんどん形が歪になり、何度も修正が発生してしまう、、、これで何回モデルを作り直したか、思いだすだけでも切りがありません。
今は作り始める前に、以下のようなことをざっくり決めています。
これはデフォルメ寄りなのか、リアル寄りなのか。
正面から見たときに何を一番見せたいのか。
使いまわす素体なのか、1点ものなのか。
基礎というのは、手を動かす前に考えている時間のことでした。
後から壊れない構造を意識しているか
見た目がそれっぽくできなモデルでも、少し修正しようとした瞬間に破綻することがあります。
ミラーを切ったら崩れる。
サブディビジョンを外すと別物になる。
パーツを動かしたら全体がゆがむ。
頂点が多すぎてどこから修正が複雑になりすぎる。
これは決して下手だからではありません。知らず知らずの間に、壊れやすい構造で作っているだけです。
基礎を意識するようになってきてからは、「この形は後で治す可能性があるか?」「ここは分けておかないと困らないか?」という風に、先々を想定してモデルを作成するようになりました。
きれいに見せることよりも、何度でも直せることを優先する。これも立派な基礎であると考えています。
今やっている作業の目的を理解しているか
同じ操作でも、目的が違えば正解は変わります。
とりあえず形を作りたい。
量産や使いまわしをしたい。
3Dプリントをしたい。
この違いを意識せずに作ると、途中で思っていたのと違う状態になります。
以前の僕は「この操作が正しいかどうか」ばかりを気にしていました。でも今は、「この目的に対して、この操作はあっているか」という考え方をするようになりました。
基礎というのは、正解を知っているということではなく、明確な目的を持っていること。言い換えるなら、モデルを製作する上での選択に対して、理由を持てることだったのです。
この3つの基礎の考え方がそろったとき、Blenderでの迷いは一気に減りました。
まとめ
この記事で書いてきた「基礎」は、Blenderの正解や完成形ではありません。あくまで、Blender歴1年の自分がようやくたどり着けた地点です。
操作を覚え、チュートリアルをなぞり、何度も作っては壊しを繰り返す中で見えてきたのが、ここまで話してきた内容ということです。
形を作る前に、どんな形を目指すのかを決めること。
後から壊れない構造を選び、修正できる余地を残すこと。
今やっている作業の目的を理解した上で手を動かすこと。
この3つの視点を持てたとき、Blenderでの制作は少しずつ安定し、「迷いながら作る時間」が減っていきました。
その意味では、基礎が分かったというよりも、基礎らしきものがようやく見えたという表現のほうが近いかしれません。
これから先、また別の「基礎」に気づく日が来ると思います。その時は、この記事の内容もきっと更新されます。
現時点での記録として、ここに残しておこうと思います。